2009年1月6日火曜日

中国内のチベット人、3割「独立求める」…亡命政府調査

中国内のチベット人、3割「独立求める」…亡命政府調査
(2009年1月6日08時32分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090106-OYT1T00053.htm?from=navr


中国内のチベット人、3割「独立求める」…亡命政府調査
 【台北=源一秀】チベットの将来をめぐって最近実施された意識調査で、中国に住むチベット人の3割弱が、中国からの「独立を求める」と回答していたことが明らかになった。
 チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世は、中国の枠内での「高度な自治」を目指す路線を掲げているが、中国政府による人権抑圧が続く中、チベット人の間で独立志向が高まりつつあるとの指摘もある。
 ダライ・ラマのおいで、亡命チベット代表者会議代議員のケドルゥプ・サンドップ氏(56)が、台北市内で本紙に語った。
 同氏によると、意識調査は、インド北部ダラムサラのチベット亡命政府が昨年9月から11月にかけて実施した。
 中国のチベット自治区などに住むチベット人約1万8000人を対象に、電話で聞き取りを行ったところ、全体の約28%に当たる約5000人が、中国からの「独立を求める」と回答。ダライ・ラマの現路線と一致する「高度な自治を求める」との回答数(約5000人)と並んだという。
 ただ、残る約8000人は、「(どんな決定であれ)ダライ・ラマの意思に従う」と答え、直接の意見表明を留保したという。
 意識調査の結果について同氏は、ダライ・ラマが1988年に独立要求を放棄した事実を指摘し、「ダライ・ラマは、この20年間、中国に対し『高度な自治』を求めてきた。だが、チベット人の自由・人権の抑圧状況に変化がないため、若年層を中心に不満を持つ人が増えている印象だ。独立志向はますます強まるだろう」との見方を示した。
 同氏は、ダライ・ラマの命を受け、97年より台湾を拠点に、各国でチベット問題解決のため、ロビー活動を行っている。
(2009年1月6日08時32分 読売新聞)