2009年8月25日火曜日

チベット観光救済作戦 暴動の跡を修復 旅行代金値下げ 中国 治安回復アピール

チベット観光救済作戦 暴動の跡を修復 旅行代金値下げ 中国 治安回復アピール
2009年8月25日 06:31
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/117243
=2009/08/25付 西日本新聞朝刊=

チベット観光救済作戦 暴動の跡を修復 旅行代金値下げ 中国 治安回復アピール
2009年8月25日 06:31
 【ラサ(中国チベット自治区)椛島滋】昨年3月に大規模暴動が起きた中国チベット自治区ラサで、中央政府や自治区当局は、地域経済のカギを握る観光の回復に向け、てこ入れに懸命だ。暴動による厳戒態勢が敷かれた昨年は観光客数が激減。今年は中央政府主導でツアー値下げなどを矢継ぎ早に繰り出し、同時に治安回復を内外にアピールしている。外国メディアの入境を厳しく制限している自治区当局は24日、西日本新聞などにラサ入境を認めた。
 標高約3600メートルにある区都ラサでは、伝統的な「ヨーグルト祭」が20日から開催中で、世界遺産に登録されたチベット仏教の関連施設「ノルブリンカ」や「ジョカン」の周辺では24日も、巡礼者や国内外の観光客でにぎわっていた。
 市内の中心部では、昨年3月の暴動で壊された主要な通りの商店はすべて修復済み。一方、ライフル銃を持ち、5人程度の隊列を組んで警戒にあたる武装警察の姿も目立った。
 同自治区政府によると、2008年の観光客数は、3月の暴動による治安悪化の影響で、前年比44%減の約225万人にとどまった。観光収入も約22億6千万元(約316億円)に半減。観光業が主要産業である同自治区の経済は大打撃を受けた。
 このため、昨年末に中央政府が音頭をとり「チベット観光救済作戦」をスタート。「ポタラ宮」などの観光名所の入場料やホテルの客室料金を半額程度に値下げした。航空会社もチベット路線の運賃を初めて値引きし、北京からラサへの直行便を新設。旅行会社も協力し、チベット観光のツアー価格は平均で50%値下げされた。
 こうした支援策で、今年1-7月に同自治区を訪れた観光客は約271万人で前年同期の2.8倍。特に新疆(しんきょう)ウイグル自治区で大規模暴動が起きた7月は、ウイグルへの観光がチベットにシフトしたため、約121万人と単月で過去最高を記録した。ラサ市当局者は24日、「8月も好調で、このペースなら年間で過去最高だった07年を上回る」と話した。
 地域経済の不振が続けば、住民の不満が社会の不安定化につながりかねないだけに、観光てこ入れは当局の治安対策の一環ともいえる。
 同自治区が在北京の日本メディアのラサ入りを認めたのは、今年3月の日本経済新聞以来。今回は西日本新聞と共同通信の2社が認められた。
=2009/08/25付 西日本新聞朝刊=




 「(本社を含む)2社がラサ入りを認められた」って“画期的”みたいな趣旨の言及があるけれど、実際はすなわち、中国政府から「西日本新聞ならマズいことは書かないだろう」と安く値踏みされた、ってことで、ホントのところは自嘲こそすれ自慢できる話じゃぁない。(ただし、中に入れなければ取材報道自体成立しないわけだから、他の媒体はメディアとしての役割をまったく果たさなかった、とも言える。)
 西日本新聞が自前で特派員を出している在北京メディアだったことも知らなかったけど(すいません)、3月に「聖地チベット展」を主催した“ご褒美”かもね。

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