2008年9月21日日曜日

中国・梅里雪山遭難:続く小さな日中友好 捜索協力お礼、村長の娘留学援助

中国・梅里雪山遭難:続く小さな日中友好 捜索協力お礼、村長の娘留学援助 /神奈川
(毎日新聞2008年9月21日・神奈川県版)
http://mainichi.jp/area/kanagawa/news/20080921ddlk14040140000c.html


中国・梅里雪山遭難:続く小さな日中友好 捜索協力お礼、村長の娘留学援助 /神奈川
 ◇91年京大学士山岳会の隊員ら遭難死、遺体捜索協力のお礼
 「日本に来て一番びっくりしたこと? カラスが多かった」。中国雲南省・梅里雪山の村からの留学生、ペマツォモさん(22)は軽く笑う。世話を続けるカメラマン、小林尚礼(なおゆき)さん(39)=川崎市麻生区=は「日本暮らしは順調の様子」と見守る。
 ペマツォモさんは同山(6740メートル)のふもとの村長の娘。91年、同山を登山中の京都大学士山岳会の隊員ら17人が雪崩で遭難死した。氷河での遺体捜索に協力した村長に恩返しをと、同会が資金援助し、ペマツォモさんは3月に来日した。
 「1週間に5日、日本語学校で勉強している。お弁当屋でご飯をよそうアルバイトも始めた」 都内のアパートで留学生3人と暮らす。「日本のパンとラーメンはおいしい。刺し身はだめ」。人口300人ほどのチベット族の寒村で待つ両親に「週1回、携帯電話で話すのが楽しみ」と笑う。
 同会理事の小林さんは、遭難で先輩、友人を失った。現地入りし遺体捜索を続け、村長との友情から身元引受人となった。夏休みに三浦半島に連れて行った。「初めての海は、すばらしかった」とペマツォモさんは目を輝かせた。
 留学は2年間。ペマツォモさんは「英語の勉強も始めた。一生懸命に勉強し、教師か通訳になりたい」と留学生活を楽しむ。 小林さんはこの夏、遺族ら10人を連れて同山に慰霊旅行をした。まだ隊員1人の遺体確認ができていない。「彼女が大学進学を希望すれば支援する」と“小さな日中友好”を続けている。【網谷利一郎、写真も】
■写真説明 「東京のカラスに驚いた」と話すペマツォモさん(右)と小林尚礼さん

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